2016年3月4日金曜日

ピッカピッカの〜コーヒーメーカー

「ピッカピッカの〜」ではないが使い古しで煤だらけのエスップレソマシン。
毎朝美味しいコーヒーで目を覚ます。コーヒーの香りがそうさせるのか、
ほんのひと時の贅沢はこのピッカピッカから生まれる。

学生時代行きつけの喫茶店があった。東京郊外で駅から離れているのに
品があってセンスのいい店構えだった。80年代だからカフェという趣だっただろうか、
アルコールの類は置かず、コーヒーが2種、小さなカップのブレンドと
名物の大きなカップのアメリカンとシンプルなトマトソースのパスタが名物だった
その店のマスターとの会話が楽しくてよく通った。今から思えば安いコーヒー代で
何時間もいて迷惑な客だっただろうが嫌な顔もせずに色んな話をしてくれた。
主に自動車やオートバイの話だったが、マスターは自動車や飛行機、軍用機など博識があって
一杯のコーヒーが楽しい時間だった。

そのマスターが繁盛していた店だったが、ある日店を捨てて外車の販売員に転職してしまった。
その後、店を買い取った新しいオーナーの趣味から店の雰囲気はガラリと変わってしまって、
それ以来その店に行くことは無くなってしまった。

コーヒーの香りがあの頃を思い出してくれる。
                            YN